なんとなく続くお腹の不調──便秘や下痢。市販薬で一時的に和らいでも、すぐに繰り返す経験はありませんか?それはもしかすると、「グルテン」が原因のひとつかもしれません。
小麦などに含まれるグルテンは、パンやパスタ、うどん、お菓子など、私たちの食生活に深く根付いています。近年、「グルテン過敏症(NCGS)」の存在が注目される中で、便秘や下痢などの腸の不調との関係も明らかになってきました。
本記事では、便秘・下痢とグルテンの関係を解説しながら、グルテンフリーのすすめと、それ以外にできる対処法も含めてご紹介します。
便秘とグルテンの関係
便秘の主な原因とは?
便秘は、排便の頻度が減ったり、便が硬くて排出しにくくなった状態です。原因はさまざまですが、主に以下の要因が挙げられます。
- 食物繊維の不足
- 水分摂取量の不足
- 運動不足
- ストレスや自律神経の乱れ
- 腸内環境の悪化
- 慢性的な便意の我慢
グルテンが便秘に与える影響
グルテンを摂取することで、腸に炎症が起こる場合があります。これは特に「グルテン過敏症」や「セリアック病」の人に顕著で、腸のぜん動運動が低下し、便の排出がスムーズにいかなくなる可能性があります。
実際、グルテンを制限する食事療法を行った結果、便秘が改善されたという報告も多くあります。
便秘対策のポイント
- グルテンの多い食品(パン・うどん・洋菓子など)を控えてみる
- 野菜、海藻、豆類など水溶性食物繊維を意識して摂る
- こまめに水を飲む(1日1.5~2Lを目安に)
- 朝の軽い運動やストレッチで腸を刺激
- 乳酸菌や発酵食品(味噌、ヨーグルト、キムチなど)で腸内環境を整える
これらの習慣を取り入れることで、グルテン以外の原因にもアプローチし、根本的な改善を目指すことができます。
下痢とグルテンの関係
下痢の主な原因とは?
下痢は、腸が異常に活発になり、水分を多く含んだ便が頻繁に出る状態です。以下のような要因が考えられます。
- ウイルスや細菌による感染症
- 食物アレルギーや過敏症
- 乳糖不耐症
- 過剰な脂質や糖分摂取
- 腸内フローラの乱れ
- ストレス・自律神経の影響
グルテンが下痢に与える影響
グルテンに対して腸が過敏に反応すると、腸壁が炎症を起こし、水分を適切に吸収できなくなるため、下痢を引き起こします。
また、グルテンは一部の人にとって腸のバリア機能(腸管透過性)を低下させる可能性があり、いわゆる「リーキーガット症候群(Leaky Gut Syndrome)」の一因とも言われています(出典:Fasano A., Clinical Reviews in Allergy & Immunology, 2012)。
下痢対策のポイント
- 消化に良い食事(おかゆ・温野菜・白身魚など)を心がける
- 油ものや冷たい飲み物は控える
- 乳製品が合わない人は、植物性の発酵食品で代用
- グルテンが原因かもしれない場合は、2週間控えて様子をみる
- 医師の診断を受ける(慢性化している場合はIBSや炎症性腸疾患の可能性も)
便秘・下痢を繰り返す人は「腸内環境」に注目
便秘と下痢を交互に繰り返す場合、腸内フローラ(腸内細菌のバランス)が乱れている可能性が高いです。グルテンは腸内環境に影響を与える要因のひとつであり、過敏に反応する人にとっては腸内のバランスを悪化させるリスクがあります。
また、食物繊維や発酵食品などの「プレバイオティクス」「プロバイオティクス」を日常的に摂ることで、腸内環境を整える手助けができます。

グルテンフリー生活のすすめ
グルテンを完全にやめるのは大変に感じるかもしれませんが、まずは2週間だけ小麦製品を控えてみるのがおすすめです。米粉パンやそば(十割)、米粉のお菓子、玄米、オートミールなど、代替食品も豊富にあります。
腸内環境は、全身の健康と密接につながっており、免疫力や肌の状態、気分の安定にも影響を与えると言われています。お腹の不調が長引いている方は、まずは食生活を見直すことから始めてみましょう。
まとめ
便秘や下痢とグルテンの関係は、すべての人に当てはまるわけではありません。しかし、腸の不調が慢性的に続く方にとって、グルテンの摂取が原因となっている可能性は十分に考えられます。
グルテンを控えつつ、食物繊維・水分・発酵食品・運動などの生活習慣も見直していくことで、腸が本来のリズムを取り戻す助けになります。
「たかが便秘」「ただの下痢」と軽く見ずに、腸から健康を整える第一歩として、まずは食と向き合ってみませんか?
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